三井物産株式会社(以下「三井」)と Corporatión Nacional del Cobre deChile (以下「コデルコ社」) は合弁会社を設立し、世界最大級の銅鉱山を保有する Anglo American Sur S.A. (以下「アングロスール社」)の株式を取得することに合意しました。又、三井とコデルコ社は包括的戦略提携を構築し、金属資源及びその関連ビジネスを両社 共同で国際的に推進していくことにも合意しました。
本戦略提携は今後長きに亘る両社の友好関係の礎となるものと考えています。三井はコデルコ社に対し、アングロスール社株式 24.5%取得の為の18.63 億米ドル(融資に係わる諸費用を含む)の短期つなぎ融資を提供します。
三井とコデルコ社は合弁会社を通じてアングロスール社株式の 29.5%を保有し、アングロスール社の第二位の株主となります。コデルコは合弁会社に対して 24.5%のアングロスール社株式を拠出し、また、合弁会社は三井による 11 億米ドルの出資金をもって、アングロスール社株式 5%を追加取得します。合弁会社への出資比率は、コデルコ社83%、三井 17%となります。
三井・コデルコ社間の本融資は、コデルコ社の借入能力には影響は及ぼさず、コデルコ社が各部署や鉱山において引き続き投資を行うことを阻害するもの ではありません。本融資契約に基づき、三井はコデルコ社に対して有利な条件での借換融資を提案することができ、コデルコ社がその提案を受諾した場合には、 三井は合弁会社の株式 15.25%を追加取得する権利を取得します。さらに、三井とコデルコ社は包括的な戦略提携を構築することに合意し、三井はコデルコ社による国際展開を支 援すると共に、リチウム・モリブデン・硫黄等の分野のほか、関連ビジネスである鉱山機器の供給等の広範囲な分野におけるビジネスの共同推進を目指します。 加えて、三井はアングロスール社の生産する銅の 29.5%を引き取り、その全量を販売する権利を保有します。
コデルコ社にとって、多角的な分野においてビジネスの知見を有する三井との包括的戦略提携は、今後の成長戦略において非常に重要な意義を持ちます。 特に三井の有する全世界ネットワークはコデルコ社が重要視する国際展開に大きく寄与します。同様に、三井にとってコデルコ社との関係構築は長年に亘り培っ てきたチリ国との関係を更に発展せしめるものであり、三井はコデルコ社の展開する様々なビジネスを全力で支援していきます。
「コデルコ社、そしてチリ国にとって三井との戦略提携は誇らしい出来事です。三井は昨年の融資契約締結以降、一貫してチリ国を支えてきてくれた、誠 実、真摯、公明正大なパートナーです。コデルコ社は三井からの戦略面・財務面におけるサポートを得ながら、鉱山業界における不動の地位を確固たるものにし ていきます。三井との戦略提携において、アングロスール社株式の共同取得はほんの第一歩に過ぎず、今後三井と共に様々な分野で成長戦略を描いていきたいと 考えています。この関係は長きにわたり続いていくものです。」コデルコ社Executive President, Thomas Keller「今般、世界最大の銅生産会社たるコデルコ社との戦略提携を果たせたことは大変な名誉です。我々を温かく迎え、強固なる信頼・友情を培う事が 出来たチリ国の人々の、発展と成長に貢献していくことが、三井にとっての使命であると考えています。三井は強いコミットメントを持ち、コデルコ社との戦略 提携において様々なビジネスを創造していきたいと思っています。」三井物産株式会社社長 飯島彰己
コデルコはチリに本社を置く世界最大の銅生産会社であり、2011年には、エル・アブラ鉱山における生産を含め、1,796,000トン(世界総生産の 11%)の銅を生産しました。同社は、モリブデンの生産でも世界有数の会社であり、2011 年には 23,098 トンを生産しています。コデルコは 100%国営企業であり、世界最大の銅埋蔵量を有しています。コデルコの 2011年の売上高は 175.15億米ドルでした。
三井物産株式会社(三井)は世界でも最も多様かつ包括的な事業分野を有する物流・投資・サービス提供企業の一つであり、2012年 8月現在 68か国に 154の営業拠点を有しています。これらの営業拠点、ネットワーク、情報力を活かし、製品の販売や物流及び金融サービスから鉄鋼製品、金属資源、プロジェ クト、自動車・建機事業、船舶・航空、化学品、エネルギー、食糧、食品事業、コンシューマーサービス、情報産業、金融新事業推進、物流の各分野における国 際的なプロジェクト案件等まで多面的に事業展開しています。三井はグローバルな事業革新に取り組んでいます。