2013年7月4日星期四

二硫化モリブデンの特徴

二硫化モリブデンは化学記号でMoS2と表記され,1個のモリブデンと2個の硫黄からなる化合物です。二硫化モリブデンの優れた潤滑性はその結晶構造にあるといわれMoとS間の結合は強固でSとS間の結合は非常に弱く,SとSの間で滑りやすいためといわれています.
また,この結晶構造のおかげで二硫化モリブデンは荷重に強い性質を有しており,電子顕微鏡の観察でも比較的急角度で曲がることができるなど,しなやかさも持った結晶であることが知られています。

固体潤滑剤として用いられる二硫化モリブデンのほとんどは輝水鉛鉱(モリブデナイト)と呼ばれる鉱石で産出されます。この鉱石を粉砕・選鉱することで灰銀黒色のMoS2粉末が出来上がります。輝水鉛鉱の鉱床の生成時代は三畳紀後期(約2億年前)から第三紀と推測されています。逆にその時代から存在している物質の自然界での安定性の質問を受けますがよく解らないのが本音です。
この二硫化モリブデンを固体潤滑剤に使い出したのは誰か? というのもよくある質問ですが,公式記録と非公式の言い伝えもありモリブデン元素の発見者ほどはっきりはしていません。なお元素は水晶鉱床中でScheeleという人が1778年に発見しました。
二硫化モリブデンの潤滑性に関する公式記録として残っているのは1920年代の摩擦試験の論文と1929年のW.Koehlerの滑り軸受け特許です。この特許は実用されたかどうかは記録に残っていません。公式記録でないとすれば様々な説があり,1800年代の中期にカリフォルニアのゴールドラッシュ時に馬車の軸受用潤滑剤に使われたと報告があるようです。
 いずれにしても,二硫化モリブデンには卓越した耐荷重性能があるのは広く知られていますが,実用では80年から90年ほどの歴史しかないことは意外な気がします。

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