2013年7月4日星期四

二硫化モリブデンの今後の展望


今後の展望を言えば,二硫化モリブデンの動向は,ある種温故知新的な様相を呈しているように見えます。すなわち,目的や効果はそれほど新しいものではありませんが,応用する分野は変わりつつあります。
二硫化モリブデンは初期摩耗を早期に定常摩耗に移行する効果があるといわれています。その点を二硫化モリブデンを含有していないグリースと比較を行い(),初期摩耗が二硫化モリブデンを含有させたグリースの方が少なく,確かに早期に定常摩耗に移行したとの報告がユーザーからありました。若い技術者たちも改めて二硫化モリブデンの特性に驚いたとのこと(ベテランの方々には常識かも知れませんが)。
初期摩耗時間の短縮による寿命延長の概念図
図 初期摩耗時間の短縮による寿命延長の概念図
とりあえず,初期摩耗を定常摩耗に早期に移行させる効果は,重厚長大の設備機械から精密機器・加工工具へと微細部分に移行しつつあります。例えば,加工工具への応用では0.nミクロンの潤滑膜で工具寿命に影響が出るとはあまり考えていませんでしたが,実際に処理すると(用途によっては)工具寿命が数倍に延びるようです。その理由としては,初期摩耗から定常摩耗への早期の移行が考えられ,加工精度の維持が必要な工具では,初期摩耗の大小が工具寿命を左右することは理論上十分にありえる話です。
 カジリを抑える効果では,極圧添加剤も有力ですが,耐荷重性を備えた摩耗防止という点では固体潤滑剤に分があるようです。

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